航空会社でオススメの優待銘柄はANAかJALか
2016年11月15日
日本を代表する航空会社であるANA とJAL。株主優待という視点ではどちらがお得か、考えてみました。
1.ANAの優待
国内線も国際線も現在日本で首位に位置している航空会社が「ANAホールディングス (9202)」です。LCCのバニラ・エアとピーチを傘下に持っています。ANAの株主優待は大きく分けて2つあります。
まずひとつは、「株主優待番号ご案内書」というもので、国内営業全路線の片道1区間の運賃が50%割引になるというものです。
ややこしい名前のサービスですが、これは従来の「優待券を使って使用済みのものを回収する」という方法をやめて、「株主優待番号を登録することによって、割引サービスを受けられる」というものになったことに起因するようです。
50%割引という金額面でも得ですが、この優待サービスでは、面倒な搭乗手続きが不要になるという面でも、お得です。
ちなみに、以前はこの優待サービスには、座席数や期間についての限定は無かったのですが、「2016年6月1日から、ゴールデンウィーク期間、旧盆期間、年末年始の各期間を中心として、一部の便において優待運賃用の座席数に制限が設けられることになった」という点には注意が必要です。
さて、もうひとつの中心となるANAの優待サービスは、ANAグループ各社・提携ホテルなどで使えるクーポン券です。空港の売店や、ゴルフ場など、様々なクーポンの入った冊子がもらえます。
その他ANAには「機体工場見学会」「特典付き旅行商品」「カレンダー」などの株主優待もあります。
2.JALの優待
「日本航空(9201)」は国内線も国際線も日本で2位の航空会社です。JALの優待もその中心となるのが、国内線片道1区間を50%割引するというものです。この点はANAと同じですね。
それ以外の優待としては、JALパックツアー商品が、正規旅行代金から7%割引になる割引券が、国内・海外各2枚ずつもらえます。
優待の中身ということだけで見ると、JALとANAにそれほど違いは無いように見えてしまいますが、実は優待を得るための条件という点には、ちょっと違いがあります。
3. JALとANAの優待獲得の条件の違い
「運賃50%割引」ということだけに着目すると同じように見えても、優待の権利獲得のためのコストという点では両者に違いがあります。
まずANAの優待獲得の条件は最低でも1000株以上です。2016年11月8日現在、ANAの株価は294.4円ですので、1000株ということは、29万4千4百円が必要です。4000株までは1000株ごとに割引券(案内書)が1枚ずつ増えますが、10000株を越えると今度は4000株ごとに1枚増える…という感じで大株主になるほど、だんだんと優待券1枚獲得当たりのコストが上がっていきます。
一方、JALの優待獲得の条件は、最低でも100株以上です。2016年11月8日現在、日本航空の株価は、3,152円ですので、100株ですと31万5千2百円が必要です。この点ではJALの方が優待ゲットに要するコストが高いといえます。
またJALの3月の優待は、300株以上で割引券2枚、500株以上で3枚…と200株ごとに1枚ずつ増えますが、ANAと同じく大株主になるほど、だんだんと優待券1枚獲得当たりのコストが上がっていき、1000株を越えると500株ごとに1枚増えるというペースになります。
注意するべきは、JALの9月の優待の方は200株以上持っていることが最低条件になるということです。優待獲得の最低コストは倍になって60万円近くになるわけです。
ANAの優待も年2回ですが、ANAは3月と9月の優待の内容に差がないことを考えると、優待ゲットに要する金銭的コストという面ではANAの方が得ということになるでしょう。
ただし、JALの優待にはANAには無い、3年以上継続保有による優待サービスのグレードアップ規定があります。長年の株主様には、割引券の枚数を増やすという気遣いがされているわけです。
また、配当利回りを比べると、2016年11現在、JALは4.0%、ANAは1.8%です。こういった面を考えても、長期投資向きなのはJALであるとも言えるでしょう。
ANAもJALもそれぞれに特徴があるので、御自分の投資スタイルに応じて選ぶのが良いかと思います。
以上航空会社でオススメの優待銘柄はANAかJALかについて考えてみました。私の考えでは、長期保有と配当を重視するならJAL、優待の得やすさということならばANAということになるのかと思います。皆様の株主優待ライフの参考になればと思います。