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光の魔術師・フェルメール展

2019年2月24日

自販機部門の船木です。このところ少し寒暖の差が激しい気候が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

 

さて、今回ご紹介するのは「フェルメール展」です。昨年2018年10月5日から今年2019年2月3日まで東京の上野の森美術館で開催されて好評を博したあのフェルメール展がついに関西に上陸しました。先日2月16日から5月12日まで、大阪天王寺の大阪市立美術館で開催される予定です。確かフェルメール作品の初来日は1968年の国立西洋美術館で展示された『ディアナとニンフたち』だったそうだが、2000年に一挙5作品が上陸して59万人もの動員数を上げたときの会場がこの大阪市立美術館でした。

 

『フェルメール展』公式ホームページ

 

東京展では『牛乳を注ぐ女』『マルタとマリアの家のキリスト』『手紙を書く婦人と召使い』『ワイングラス』『手紙を書く女』『赤い帽子の娘』『リュートを調弦する女』『真珠の首飾りの女』『取り持ち女』の計9作品が公開されましたが、大阪展ではそのうち『牛乳を注ぐ女』『ワイングラス』『赤い帽子の娘』『真珠の首飾りの女』を除く5作品と、『恋文』の計6作品が公開されます。東京で目玉作品だった『牛乳を注ぐ女』はご覧頂けませんが、代わりに『恋文』を鑑賞することができます。

フェルメール『恋文』(出典:フェルメール展公式ホームページ)

では、ここでフェルメールとその周辺についてちょっと眺めてみましょう。

 

フェルメールが生きた時代的背景

 

ヨハネス・フェルメール(1632~1675)は、17世紀のオランダのバロック期の画家です。「近代哲学の父」と呼ばれるフランスの哲学者ルネ・デカルトが自著『方法序説』(1637)の中で「我思う、ゆえに我あり」と述べて、ヨーロッパ近代が幕開けしたのは、オランダでフェルメールが活躍していたちょうどこの頃でした。イギリスでは、清教徒革命と名誉革命という2つの市民革命が起きて議会政治に移行する一方で、フランスではルイ13世による絶対王政が確立されていました。この頃、オランダでは、1568年にカトリックの強要を強いるスペインに反旗を翻して独立戦争を起こし、八十年戦争の末、1648年に正式に独立が認められてまさに活気づいていた頃でした。小国でありながら、オランダが「太陽の沈まぬ国」とまで謳われた大国スペインを相手に勝利したのはまさに海運業で富を増していたからであり、フェルメールがデルフトの街で画家として活動していた頃は、まさにオランダがその絶頂期からやや下降線をたどり始めた微妙な時期でした。「光の魔術師」と言われたフェルメールの時代的な背景がまさに微妙な光の匙加減でできていたというのも何とも興味深いところです。

 

パースペクティブ(透視図法)

 

今では普通に、物事に対する見方、視点、観点、視野、展望などの意味にも使われる「パースペクティブ」(perspective)という言葉は、元々は、絵画や作図などに用いられる、目に映る像を平面に正確に写すための技法である「透視図法」(透視法、線遠近法)を指していました。透視図法の大きな2つの特徴は、同じ大きさの物でも視点から遠いほど小さく描かれるということと、ある角度からの視線では物は歪んで見えるということです。

 

最も初期の遠近法といわれるのが、紀元前5世紀頃に古代ギリシアの舞台美術で使われたものであったが、透視図法の光学的な理論の起源としては、11世紀のペルシャの哲学者であり数学者でもあったイブン・アル=ハイサムに由来すると言われる。その後、1400年代にイタリアの建築家のブルネレスキーによって体系化され、それ以降イタリアで絵画や建築に用いられるようになって発展した。レオナルド=ダ・ヴィンチらが用いた遠近法は、幾何学的な透視図法に「遠くのものは色が変化し、境界がぼやける」という空気遠近法の概念を組み合わせたものであった。

 

さて、フェルメールが用いた遠近法は、カメラの前身である「カメラ・オブスキュラ」を使ったのではないかと言われるくらい非常に写実的で正確なものであった。カメラ・オブスキュラの原理は、ピンホールカメラと同じで、ウィキペディアによれば「被写体の各点で乱反射した光線のうち、空間にあるピンホールの一点を通る光線のみを選び出し、平面に投射することで射影された像を得る」ものだという。実際、フェルメールの描く絵画のキャンバスには、小さな穴が残されており、この穴こそ透視図法で「消失点」と呼ばれる構図の中心と一致するのだ。ただし、フェルメールは忠実に透視図法を用いただけではなく、そこに登場させる小物を、透視図法による実際のサイズよりも大きくしたり小さくしたりして工夫を施している。不思議なことに、その作品を鑑賞する者にとっては、その方がよりいっそうリアルに見えるのだ。

カメラ・オブスキュラ(出典:ウィキペディア『カメラ・オブスクラ』)

 

フェルメールの魅力

 

フェルメールが生涯描いた作品の数は少なく、現存するものは35~37作品ほどしかありません。おそらく誰もが知っている有名な作品と言えば、オランダのデン・ハーグのマウリッツハイス美術館が所蔵する『真珠の耳飾りの少女』ではないでしょうか。今回のフェルメール展では、残念ながらこの作品は展示されませんが、いくつもの貴重な作品が公開されます。まずは、初期の宗教画であり、現存する作品では最大のサイズと言われる『マルタとマリアの家のキリスト』。また、宗教画から風俗画への転向となった転換期の作品と言われる『取り持ち女』。そして、「手紙」をテーマにした現存作品が6作品あるうち、『手紙を書く女』『恋文』『手紙を書く婦人と召使い』という3作品が一度に公開されます。このうち、なんと『手紙を書く女』は2度、『恋文』は1度盗難の被害に遭ったといういわくつきの作品でもあります。また、『リュートを調弦する女』は『恋文』と同様に楽器が描かれており、楽器は恋愛を暗示する小道具だと言われています。

 

ところで、女優の石原さとみさんが大阪在住の美術家・森村泰昌と一緒にフェルメール作品の魅力を教えてくれる「フェルメール 仕掛けられたイリュージョン」というTV番組が関西TV系で2月23日(土)午前10:25~10:50に放映されました(再放送は、2月25日(月)午前2:58~3:28)。

 

「フェルメール 仕掛けられたイリュージョン」

 

というわけで、滋賀県から大阪市立美術館にJRでお出かけになる方は、琵琶湖線でJR京都・大阪経由で大阪環状線・天王寺駅で下車されると便利です。大阪市立美術館は、天王寺駅から北西へ約400mの天王寺公園内になります。JRのチケットは、是非お近くのチケットライフの店舗および自動販売機にて格安のチケットをお求めください。また、フェルメール展のチケットも店舗で格安で販売しております。各店のスタッフ一同、みなさんのご利用をお待ちしております。

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