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一般相対性理論100周年

2015年11月29日

自販機部門の船木です。

 

前回、大阪市立科学館を紹介する際に素粒子の話をしましたが、その際、今年2015年は「国際光年」だという話をした時に、「アインシュタインが一般相対性理論を提唱し始めて100 周年」ということを書きましたが、それが「国際光年」ということで「光」とどう関係があるのだと思われた方もいらっしゃると思いますので、少々その補足を兼ねて、今回の話題に致します。

☆アインシュタイン

アインシュタインという名は、日本でも物理学にそう詳しくない人にも知れ渡っているほど世界的に有名な物理学者の名ですが、彼の業績は何かと言われると、せいぜい「相対性理論」を唱えた人と言えれば十分で、その中身までご存知の方は少ないかもしれません。

アインシュタイン

アインシュタイン(出典:ウィキペディア)

 

アルベート・アインシュタインは1879年3月14日のドイツ生まれの物理学者で、彼を一躍有名にしたのが、「奇跡の年」と呼ばれる1905年に書かれた5つの重要な論文でした。その1つが最初の相対性理論に関する論文でした。

 

相対性理論と一口に言っても、これは実際には全く異なる2つの理論からなっています。一つが「特殊相対性理論」で、もう一つが「一般相対性理論」です。1905年に発表された論文が特殊相対性理論であり、1915年に発表された論文が一般相対性理論です。略して、それぞれ、特殊相対論、一般相対論と呼ばれ、相対性理論も単に相対論と呼ばれます。

 

やや標語的に言えば、特殊相対論=光速度一定原理+特殊相対性原理、一般相対論=等価原理+一般相対性原理という感じになりますが、さらに超ざっくり言えば、特殊相対論は光速度を限界とする力学理論、一般相対論は重力の理論という感じです。

 

長い物理学の歴史の中で、この20世紀に登場し、革命をもたらしたと言われるのが相対論と量子論です。アインシュタインは、相対論だけでなく、量子論でも絡んでおり、その初期段階において、光は波動であるだけでなく、粒子的な性格も持っているという「光量子仮説」というものを唱えました。

 

彼の1921年度のノーベル物理学賞受賞は、実は相対論の方ではなく、この光量子仮説に基づく光電効果によるものでした。この光量子仮説の論文が発表されたのも、特殊相対論と同じ1905年であり、「国際光年」である2015年は、ちょうどその110周年に当たるわけです。

☆アインシュタインの考え方のすごさ

さて、よく「天才」などと称されるアインシュタインですが、その考え方が画期的だったのは、ごくごくふつうの発想から始まる考え方に目をつけたことです。それは「あらゆる物理法則は、どんな時間や場所に持っていっても成り立つはずだ」という、誰でも当たり前に思いつくようなごく素朴な発想でした。

 

物理学は、近代に大いに発展し、ガリレオやケプラーらに始まり、ニュートンで、その主だった枠組みは出来上がったとされています。これを称して古典物理学と呼ばれます。私たちが小中学校および高校で習う物理と言えば、ほとんどこの古典物理学に基づくものです。ところが、物理学の一分野である電磁気学も同様に近代に完成するのですが、この電磁気学がこの古典物理学の枠組みからはみ出す性質を持っていることに、アインシュタインは気がついたわけです。この矛盾に向き合って、どうにかうまく説明できないだろうかと考え出されたのが、特殊相対論でした。

 

そもそも相対論の骨格である「相対性原理」というものですが、これはよく電車などを用いた例で説明されます。例えば、単純に止まっている人が東から西にボールが秒速5メートル投げられた場合と、西から東に秒速5メートルで走っている電車の中にいる人が空中の1点に静止しているボールを見た場合を比べると、どちらも「東から西にボールが秒速5メートル動いていく」ように見えるというものです。

 

この例で持ち込まれるのが、ボールの運動を見ている人という「観測者」と、ボールという「対象」の関係です。要するに、観測者の方が止まっていて対象の方が動いている場合と、観測者の方が動いていて対象の方が止まっている場合を区別できないというのが相対性原理です。ある意味、それまで対象の運動しかあまり考えられてこなかった物理学に、観測者というものが持ち込まれたという点が、物理学に革命をもたらした要因と言えるかもしれません。

 

一般雑学書では、以上の相対性原理の説明をベースに、光速度に近いと物が縮んで見えるだとか、光速度に近いロケットに乗って帰ってくると浦島太郎のような年齢差が生じるだとかいった興味深い話題となるわけですが、これらはいずれも特殊相対論に関する話です。一般相対論の説明になると、こうしたビジュアルが実は使いづらいのです。

☆一般相対論のさわりだけ

もちろん、一般相対論の手掛かりとして、エレベーターに乗っている者には重力がないように感じられるといった例で説明される等価原理あたりまではいいのですが、一般相対論をきちんと理解しようとすると、かなり難しい数学を避けて通れなくなるのです。そこで、一般雑学書では、後半は途中をかなりはしょって「重力とは時空の歪みによってもたらされる」という結論に持っていくわけです。

 

でも、まあ、この結論はとても重要です。ニュートンの時代には、重力とは2つの質量を持った物体同士が引き合う力であり、その2つの物体間の距離の2乗に反比例するというものでした。それが、時空の歪みによってもたらされるというのは画期的でした。時空の歪みというのは、その時空上をまっすぐ歩いていると感じられる状態を、外から見ると、実は時空の方がが曲がって見えるというものです。

 

この時空の歪みの延長線上で考え出されたのが「ブラックホール」です。ブラックホールはその中に飛び込んだら光さえ脱出できないと言われています。

 

あまり深みにはまるとややこしい話になるので、とりあえず一般相対論の話はこの辺にしておきましょう。

 

とにかく、その一般相対論をアインシュタインが初めて発表したのが、実は1915年11月25日でした。今年の11月25日がちょうど100周年だったわけです。

 

ニュートン別冊 アインシュタイン 相対論の100年

 

そこで、11月25日前後には、一般相対性理論100周年を記念したセミナーも世界各地で開催されたわけですが、日本でも記念市民講演会などがたくさん開かれました。

 

一般相対性理論誕生100年記念市民講演会

東京理科大学近代科学資料館 『アインシュタイン展』一般相対性理論100年-アインシュタインの業績と人となり-

 

「国際光年」ということで「光」とどう関係があるという前振りでしたが、アインシュタインは、光量子仮説で光が波でも粒でもあるとし、特殊相対論で光の速度が一定であるとし、一般相対論によればブラックホールというものが存在して光も出られないということで、まさしく光尽くしでした。

 

というわけで、ちょっと最後はまとまりのない話になってしまいましたが、この辺でお開きと致しましょう。

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